【はじめに】
私は過去に兄弟を亡くしていることを含め、若くして人より悲しく辛い経験を多くしてきました。また、私にはうつ病の他に、強迫性障害という病気があります。これは、強い不安や恐怖、こだわりがあることで「やりすぎ」ともいえる考えや行動を止めることができず、日常生活に支障をきたす病気です。私が休職する前からずっと関わってきた病気でした。過去の辛いトラウマと二つの病気が原因で休職し、職場のすすめでリワークRAKUに通うことになりました。
【リワーク通所開始】
リワークの通所が開始したものの、今までの乱れた生活リズムで、いきなり朝早く通勤電車に乗ることに苦労しました。また、朝に不安感が強くなりやすく、リワークに来るだけでも一苦労でした。
【リワークでの様子】
リワーク中に体調が悪くなることがあったものの、スタッフ、メンバーに支えられてなんとか参加することができました。とあるメンバーに話しかけられたことがきっかけで、徐々にリワーク内の雰囲気に馴染むことができるようになり、心が回復していくのを実感していきました。またプログラムを毎日淡々とこなし、生活リズムを整えながら、目の前のやるべきことに懸命に取り組んでいました。そして、薬だけに頼らず、不安とのうまい付き合い方も学んでいきました。
【一度復職を決めたものの、まだやり残したことがあり、卒業を延長】
体調も良くなり、ここでリワーク卒業するかどうか迷った時期がありました。目安の半年間在籍もしたし、自分でも復職できそうだなと考えていました。ところが、そのことをスタッフさんに相談したところ、「確かにリワークでは問題ないと思うけど、実際に職場に戻ったらどう?やれそう?」その言葉を聞いて、自分自身が急に冷静になるのが分かりました。
「そうか・・・今自分がいるのはリワークなんだ。職場ではないんだ。この状態で戻ったら、また体調が悪化するだろうな」ふとそう感じてしまいました。今の自分に何が足りないのかを考えた時、自己肯定感と自己受容、そして自信でした。これらが備わっていないと、また忙しい職場に戻っても再発してしまうだろうと考えました。そこで、リワークの卒業を延長し、これらを身に付けるため、様々な経験や体験をすることにしました。
【自己洞察プレゼンを通じて、新しい自分に出会えた】
様々な役割を経験し、自分を認めることができるようになり、自信もかなり付いてきました。
そこで、スタッフさんから卒業前に、自己洞察プレゼンをやるかどうかのお話になりました。
私は、若くして多く悲しい体験や辛いものを抱えています。自己洞察プレゼンを作成している段階でも、体調が悪化する可能性もあります。最後まで悩みましたが、私は変わりたいと強く思い、自己洞察プレゼンをすることに決めました。そこから順調に作業が進み、辛い経験やエピソードを思い出しているはずなのに、自分の芯がぶれることはありませんでした。
ついに、一か月あまりの準備期間を経て、自己洞察プレゼン発表の日を迎えました。今までそういった慣れないことに対して強い不安感を覚えていた自分が、その日はワクワクしていました。そして、自己洞察プレゼンを無事に終了し、メンバー、スタッフ、院長先生から温かい言葉をたくさんいただき、自分の中で確かな変化に気付くことができました。それは、“自己受容を確かなものにし、自信に満ち溢れている自分、この先のストレス環境や困難に出くわしても、それを乗り越えられる自分”への変化でした。
【最後に】
今まで、病気である自分、辛い経験を背負ってきた自分に対して嫌な気持ちがずっとありました。どうせ変わらない、自分は何をやってもダメだと勝手に自分の価値を決めつけていました。でも、このリワークRAKUで過ごした期間で、確かに自分は変わることができました。たとえ過去が辛くても過去は変えることができない。かといって未来のことばかり不安になっても意味がない。過去は過去、未来は未来、大事なのは今、この瞬間を精一杯に生きることだと考えることができるようになりました。でも、変わることができた一番の理由は、自分が変わろうと思ったから。リワークRAKUはそのような機会を与えてくれる素晴らしい場所です。
自分の気持ちと体調と相談して、ぜひリワークRAKUを検討してみてください。
掲載日:2023年10月23日