私がリワークに通うことになったきっかけは休職後半年が過ぎた頃、復職訓練を考えるにあたり漠然とした不安・恐怖感を覚え、職場のカウンセラーや主治医に相談したところ復職訓練前のリワーク利用を勧められたからです。
当初、「リワークは復職への時間稼ぎだから少し通って復職できればいい、リワークでの交流も自分は苦手だから必要ない」と思っていましたが、様々なプログラムで認知の偏りや自分の不得意な事にも気づいていき、リワーク利用が有効なものだと実感してからは、「まだ、この場所で正しく慎重に自己理解を深めていく必要がある」という考えに変わりました。
さらに、他の利用者の方々やスタッフさんと会話する機会が徐々に増えることで、驚くほど元気になっていきました。
当時の私は人とのつながりが欲しかったのだと、今では分かります。リワークプログラムや対人交流を通して、心の奥深くに抑え込まれていた本来の自分を取り戻していきました。
また、自分に大きな影響を与えた気づきがあります。プログラムを受けたり、スタッフさんと会話したりする中で、自分にはHSP(非常に感受性が強く、敏感な気質を持った人)傾向があるということが分かったことです。職場や日常生活でなぜか生きづらいと感じていた理由が明白になり安心しましたが、理解が進んでいくと今まで悩みとして認識できていなかったことが悩みとして現れ、「こんな自分が嫌だ、気質なんて無くしたい、でも無くならない」という、答えの見つからないことをずっと考えてしまい、とても苦しかったです。
しかし関連書籍を読んだり、スタッフさんや他の利用者さんと悩みを分かち合ったり、共感し合ったりすることで辿り着いた答えが「気質を無くさず、活かして生活する」でした。できない自分を責めるのではなく受容する。心の声に耳を傾け、自分自身を大切にしながら生きていくことが、これからの私には必要だと気づきました。
自分と向き合うことは決して簡単なことではないですし、一人だけでできることでもありません。だからこそ、リワークRAKUでは利用者の方々や、スタッフさんが様々な角度から手助けをしてくださいます。通所期間は想定よりも長くなりましたが、RAKUに寄り道したことで得られたものは計り知れず、私にとってここでの出会いと経験は、人生を明るく照らすかけがえのない光となりました。「通ってよかった。」と、心からそう言えます。
掲載日:2025年07月23日