3年前の夏、私は会社に行けなくなった。頭痛や動悸、目からあふれる涙。鏡に映る自分の顔を見ることすらできなかった。そんな自分の変化に戸惑いつつも、心のどこかでは「ああ、ついにきたか」とも感じていた。以前から予兆はあったのだ。
現在の職場に異動して約10年。仕事内容は自分に合っていると思っていたし、やりがいもあった。しかし、新人の頃から現在まで、職場のぴりぴりした雰囲気や高圧的な上司、マルチタスクで気の休まることのない忙しい日々に疲弊し、何度も心身の不調を感じていたのも事実。
近年は結婚や我が子の誕生、異動、昇進、ワークライフバランスや新型コロナ流行による働き方改革等…大きな変化の中で、家族のため、周囲からの期待に応えるため、無自覚に「自分がしっかりしなければ」と1人で戦っていた。確実に疲労は蓄積していたが「きっとつらいのは今だけ」と自分を労わることを忘れてしまい、こうして限界が訪れてしまった。駆け込んだ心療内科ですぐに休職するよういわれ、その後1年半は自宅療養と復職、再休職を何度も繰り返していた。
「どうすれば復職できるのだろう」と苦しむ中で出会ったのがこの「リワークRAKU」だった。リワークでは生活リズムを整えることから始まり、ヨガや運動療法で身体を動かしたり、各種講義では病気の基礎知識や復職に向けたスキル、対策法等を学ぶ。複数人で様々な課題に取り組むグループワークはさながら職場のようで、苦しさを感じつつも自分の回復度合いや変化を感じられた。他にも難しいことを忘れてゲーム等を楽しむレクの時間もあった。トライ&エラーの毎日の中で、徐々に自分自身について理解を深め少しずつ心も体も元気を取り戻していった。
そんな日々の中で私は、生まれ持った気質や過去の経験で身についた考え方の癖から無意識に「1人でがんばりすぎてしまう自分」がいることに気付かせてもらった。誰かに褒めてもらいたい、格好悪い姿を見せたくないので人を頼れない、無理して自分を着飾ってしまう…私はいつの間にかそんな風に自分で自分を苦しめる生き方をしていたのだ。そんな私にリワークRAKUは「あなたは自分らしくいればいいのよ」と教えてくれた。そして各種プログラムへの参加やスタッフ、他の利用者との交流の中で私の心は徐々に変化していった。「ダサくてもいい、誰かを頼っていい、無理しなくていい」、いつの間にか私は等身大の自分を認めてあげることができるようになっていた。そんな「新しい自分」に変身できたのだ。
復職については当初の予定から大きく変わり、私は会社を退職して資格取得を目指す道を選んだ。リワークで実施した各種検査から自らの能力を客観的に知ることができ、自分の気質や考え方の傾向等も踏まえて「今の職場には向いていない」という結論に達したのだ。 また、心身ともに回復しているが、いまだに職場へのトラウマ感情だけは癒えないという理由もある。
幸いなことにリワークでの経験の中で自分の得意を活かせる職業を見つけることができ、周囲もそれに賛同してくれた。本来は復職を目指す場所であるにもかかわらず、転職する自分を応援してくれたスタッフさんには感謝してもしきれない。
リワークに通い始めて早1年。あの頃の見えない何かに縛られ重く苦しい生き方をしていた自分はもういない。周囲から「まるで別人」といわれるくらい心も体も軽やかで、明るい笑顔でこの先の未来を見据えている。その名のとおり生きるのが「RAKU」になれたのだ。
あの頃、苦しみながらもこのリワークRAKUを選んだ当時の自分を褒めてあげたいと感じている。その決断は間違っていなかった、勇気を出してがんばったな、と。
そして改めて、これまで支えてくれたスタッフの皆様、共にプログラムに参加した仲間たちに感謝を伝えたい。
最後に、今もしあなたが病気や復職に悩みながらこの文章を読んでいるのであれば、1日でも早くリワークに問い合わせすることをお勧めする。是非このリワークRAKUを、と言いたいが、自分がここだと感じる場所ならば他のリワークでもいいと思う(RAKUの方に怒られてしまうだろうか)。そこからきっと何かが変わるはず。
リワークの扉を開いた瞬間、きっと「新しい自分」の物語が始まる。
掲載日:2026年03月03日